F-14の特徴




 F-14トムキャットは、冷戦が最高潮の時にソ連が繰り出してくると想定されるあらゆる脅威に対抗できる様な、究極の艦隊防衛戦闘機として開発された。
 就役して約30年になる現在でも、強力なレーダーと比類なき対空兵器、今なお必要十分な格闘戦能力で、世界最強最長射程の迎撃戦闘機として君臨している。
 冷戦終了後は精度爆撃能力等が追加、多用途戦闘攻撃機として運用され、F/A-18Fスーパー・ホーネットが就役する21世紀初頭まで、第一線で運用される。



可変翼

 状況に応じて、主翼の角度を20°~68°まで変更できる。
 可変翼を用いたことにより、20°の展開状態では低速時の安定性、特に空母に着艦する時の揚力を確保することができ、68°の最後退翼にすることで水平尾翼と共にデルタ翼を形成しマッハ2を超える速度にも対応できる(マッハ1.5を超えたあたりから水平尾翼への負荷が急激に増加する為、水平尾翼の負荷軽減用に主翼前縁部にグローブ・ベーン言う引き込み式のカナード翼があるが、運用上問題ない事がわかった為使用されなくなり、F-14B/Dの新造機では省略されている)。また、75°のオーバー・スウェプト角にすることで格納面積が小さくなり、主翼を折り曲げることなく空母に格納することができる。
 可変翼を持つ機体は過去にもあったが、F-14は初の全自動で、航空機の状況によってコンピュータが最適な角度にコントロールするため、発艦から戦闘、着艦を通してパイロットは翼の角度を気にしたり、翼を操作する必要がない。ソフトウェアでのアップグレードができるため、状況の変化にも柔軟に対応でき、また必要ならマニュアルでの操作も可能。
 運用当初からF-14のエンジンのパワー不足が唯一の泣き所だったが、可変翼のお陰で当時の最高レベルの機動力を持つ事ができた。
 また、可変翼を採用しなかった場合、空母で運用するには今の120%の翼面積が必要だったと言われている。


強力なレーダー火器管制システム

 F-14のレーダー火器管制システムAN/AWG-9は、大型の航空機なら280km、戦闘機なら160km(100マイル)以上の索敵能力を誇り、その性能は現在でもなおトップクラスである。
 AN/AWG-9は24機の空中目標を同時追尾でき、空対空ミサイルAIM-54フェニックスを用いることで内6機を同時に攻撃できる。更にAN/AWG-9は僚機とデータリンクができるため、目標をダブらせないで攻撃することもできる。
 F-14とAIM-54の組み合わせで、最高180km先の空中目標を攻撃することができ、この攻撃距離は他の戦闘機の追随を許さない。F-14が最強の迎撃機と言われる所以である。


AIM-54フェニックス

 アクティブ・レーダー誘導方式の空対空ミサイルで、長距離スタンドオフ対艦ミサイルを装備するソ連の攻撃機(特にTu-22バックファイア)迎撃のために開発された。
 180kmもの射程距離は空対空ミサイルでは最長で、マッハ5の速度を誇りながら、驚異的な耐G性能を持つ。
 目標までの距離が23km以上の時は、発射した航空機のレーダー波の反射を追うセミアクティブ・レーダー誘導方式だが、目標までの距離が23km以内になった時点でミサイル自身からレーダー波を出し、アクティブ・レーダー誘導方式になるため、撃ちっ放し戦略ができる。また、ミサイル撃墜能力も有し、航空機だけでなくミサイルも攻撃対象にできる。
 最終型であるAIM-54C/C+には対ECM能力が追加され、更に信頼性を高めている。
 いまだ実戦では使用された事がないものの、テストでは9割もの撃墜率をマークし、その性能はすでに伝説となりつつある。
 F-14はAIM-54フェニックスを運用できる唯一の機体であり、F-14の退役と共に一緒に姿を消す事になる。



Tom's catへもどる